一見お口に関係なさそうな癖も、実は歯並びに悪影響を与えていることがあります。たとえば頬杖。「そう言えばうちの子、いつも頬杖をついてテレビを見ている......」なんてことありませんか?
頬杖をつくことは、お行儀としてもよいこととは言えません。でも悪いのはそれだけではなく、矯正歯科の面から見ても、あまりよい行為ではないのです。頬杖をつくと、頭の重さがあごの骨にすべてかかります。成長期にこれが習慣として繰り返されると、あごの骨は影響を受けて変形し、不正咬合を招いてしまうのです。
このような日常の癖による不正咬合は、お子さんの「よくない生活習慣が引き起こした病気(症状)」とも言えるでしょう。悪い生活習慣は、せっかく矯正で整えた歯並びも後戻りさせてしまいます。何気ない癖が与える影響は非常に大きいもの。そういった癖を治していくことも小児矯正治療の目的のひとつなのです。
こんな癖、ありませんか?
歯並びに影響する癖はいろいろあります。お子さんが普段、次のような行為をしていないかチェックしてみましょう。
●頬杖
成長期のあごの骨に頭の重さがすべてかかり、歯並びやあごの関節の発育に悪影響を与えます。
●指しゃぶり
しゃぶっている指は歯や歯ぐきを常に触るため、歯並びが乱れる原因となります。指を吸う力も歯並びに影響します。
●爪を噛む
爪は硬いものです。それを噛み続けることで、成長期の歯や歯ぐきに負担がかかります。
●唇を噛む
唇を噛むとき、不自然な口の動きが必要になるため、習慣化されることで歯並びやあごの関節に影響します。
●食習慣
やわらかい物ばかり食べる習慣がついていると、歯や歯ぐき、あごの筋肉が弱くなってしまいます。
●歯ぎしり
直接的な歯への影響だけでなく、あごの関節にも関わり、不正咬合の原因にもなります。
●丸飲み
物をよく噛まないで飲み込んでしまうと、歯やあごが正しく成長できません。
●口呼吸
口の中やのどが乾燥するため、だ液の中の抗菌成分がうまく働かなくなり、虫歯や歯周病になりやすくなります。舌の位置も不適切となり、歯並びにも影響します。