小児矯正を始めるベストな時期は、歯並びが気になったとき
矯正相談に来る方の多くは、矯正治療を始めるタイミングがわからずに迷っているようです。一般的には、永久歯に生え変わる7~8歳頃に始めるのがベストだと言われています。しかしお子さんの成長度合いはそれぞれ異なり、治療に専念できる時期もそれぞれのご家庭ごとに違いがあります。無理に治療を始めようとすると負担が大きくなりますので、あまりこだわる必要はありません。当院では歯並びが気になり、治療を受けたいと思ったときに始めるのが自然なタイミングだと考えています。
部活や習い事、受験勉強、兄弟やご家庭の環境など、お子さんが専念できる体制が整ってから始めても決して遅くはありません。仕上がりを心配する方もいらっしゃいますが、治療を始めるタイミングに合わせてベストな治療方法を提案しますので、いくつになってもしっかり治せます。どうぞご安心ください。
なお、小児矯正を成功させるにはご両親の協力が欠かせません。治療を始めると決断したら、ご家族の力で最後までしっかりサポートしてあげましょう。
受け口や出っ歯のお子さんは早めに矯正治療を
受け口や出っ歯のお子さんの場合、タイミングを逃してしまうとあごの成長が阻害されて症状がさらに悪化し、治療も難しくなることがあります。受け口や出っ歯の症状が強いお子さんには、早めの矯正治療をおすすめしています。
治療開始時期はお子さんごとに違いますので、3歳児検診や就学児検診、矯正専門医の精密検査を受けて、適切な時期を診断してもらうとよいでしょう。
ご家族の気持ちを大切にした、ていねいな説明
矯正治療は治療期間が長く、ご家族のサポートも不可欠な治療です。それゆえ、ご家族が納得しなければ治療は始まりません。特に抜歯・非抜歯に関してはより慎重になる傾向があり、時には数か月から半年、1年と時間をかけて検討する方もいらっしゃいます。
検討期間が長引くと治療開始時期も遅くなりますが、後々のトラブルを防ぐためにも十分に納得してから治療を始めることが大切です。そのために必要な情報は正確にお伝えし、ご理解できるまでていねいに説明するよう心がけています。
専門的に診断した結果、抜歯が必要となっても、ご家族の理解が得られずに非抜歯矯正で進めることがあります。しかしその後、あごの成長の度合や親知らずの存在のためにやはり抜歯が必要となったときに、仕上がり具合の低下や治療期間も長引くことなどをわかりやすくしっかりご説明すると、ほとんどの方は納得して抜歯を決断されます。
このようにそれぞれのご家庭の事情や考え方がありますので、ご家族やお子さんの気持ちを大切にしながら、専門家としての見解をお伝えするように心がけています。
資料を使ったわかりやすい説明
小児矯正には第一期治療と第二期治療があり、お子さんの成長に合わせながら一期から二期へと進めていきます。あらかじめ治療の流れはご説明していますが、まれに第一期治療だけで治療が終了したと思われる方がいらっしゃいます。
あいまいなまま治療を進めるとトラブルに発展します。必要な情報を正確に伝えることも矯正医の重要な役割と考えていますので、さまざまな状況を想定しながら、第二期治療やリテーナ装置の必要性、後戻りの問題も含めて、治療の流れをきちんと説明しています。
治療の流れは、言葉で説明しただけでは忘れてしまうこともありますので、必ず資料も一緒にお渡しています。ご自宅に戻ってからゆっくり目をとおすことで理解が深まり、トラブル防止にも役立っています。