お父さん、お母さんの意識から始まります
自分の歯並びが正しいのかどうか、またそれが治療で治る症状なのかどうか。そういったことは、お子さん自身ではまったくわからないことです。つまりお子さんの矯正治療は、お父さんお母さんの意識がなくては始まらないことなのです。
小児矯正治療が普及している欧米では、親は子どもが生まれたときから矯正治療を計画し始めると言われています。それだけ矯正治療は「親の責務」として浸透しているのです。
また、矯正治療は歯科医院で行いますが、ご自宅でのケアも非常に重要です。親御さんの協力は欠かせません。「お父さんお母さんも一緒に頑張ってくれている」という意識も、お子さんの矯正治療への姿勢を支える大切な要素となるのです。
お子さんの将来を想い、矯正治療を意識的にとらえ、治療を始めさせてあげられる人は、お父さんお母さん以外にはいません。どうぞ自分も一緒に矯正治療を受ける気持ちになってお子さんを支え、治療に取り組んであげてください。
治療前、治療中、治療後について
小児矯正を行う際、治療前・治療中・治療後で親御さんに気をつけていただきたいことをご紹介します。
治療前
矯正治療を受けることで、不安でいっぱいになってしまうお子さんは多いものです。歯科医院に行くのを嫌がることもあるかもしれません。そんなときには「歯をきれいにしようね。頑張ろうね。」と優しく励ましてあげてください。
また、治療期間が長くなるとお子さんの気持ちが萎えてくることもあるでしょう。長い期間治療に向かう姿勢を保たせるためには、お子さん自身が「歯並びをきれいにしたい」という強い気持ちを持つことが大事です。お父さんお母さんは、お子さんを優しく応援してあげましょう。
治療中
矯正治療は通院だけでは完了しません。治療中は矯正装置を常につけたままになるため、ご自宅でのケアや食事についての注意が非常に重要です。治療中のお子さんのブラッシングのサポートや、装置の違和感などの訴えには注意してあげてください。
また、治療に対してのモチベーションをお子さんが常に保つのは非常に難しいものです。先生の言うことを守れなかったりうまく取り組めなかったりしても、怒ったり追い詰めたりせず、お子さんに合った言い回しなどで励ましてあげてください。
治療後
歯並びが整い、矯正装置をつける時期が終わっても、それですべて終わりというわけではないのが矯正治療です。なぜなら、装置を外した歯はまた元の位置に戻ろうとするからです。治療後はそういった後戻りを防ぐために、しばらく保定装置を装着します。一定期間を置き、歯の位置を安定させることができてはじめて治療は完了です。
保定期間は、お子さんが一生懸命取り組んだ治療の最後の大事な仕上げです。きちんと自己管理ができているか、最後まで見守ってあげましょう。